腰椎椎間板ヘルニアとは、腰の負担からくる腰痛で書いてあるような状況が続いていることで、髄核が後ろにずれっぱなしの状態になり、ある日突然ちょっとした動作によって起こります。
ギックリ腰との違いですが、ヘルニアの場合、髄核が椎間板から飛び出てしまいます。その飛び出た髄核が神経を刺激し、坐骨神経痛を伴います。ヘルニアはレントゲン検査では分かりませんので、MRI検査が必要になります。MRIでヘルニアがあるといわれても、心配し過ぎないようにしましょう。
実はまったく腰痛がない人でもMRIを撮影すると多くの人にヘルニアがあることが分かっています。例えば腰痛がない人の76%にヘルニアがあったという報告があります。逆に腰痛持ちの労働者の47%にはMRIで異常がないという報告もあります。
座った姿勢で坐骨神経痛がありMRIでそれを説明する椎間板ヘルニアがあったとしても、多くの場合は手術をしなくても3~6か月程度で症状は改善します。手術に移行する人は、10人中1人か2人くらいです。
めったに起こることはありませんが、坐骨神経のみならず、排尿・排便がしにくくなる症状を急性馬尾症候群といい、この場合は48時間以内の緊急手術の適応となります。また、かかと歩きがしにくくなるといった筋力低下が起こることがあります。これも多くの場合は改善しますが、稀に著しい筋力低下が起こってしまった時は、早期に手術をしたほうがよい場合があります。